題名の意味に戦慄する|東野圭吾「加賀恭一郎シリーズ」『悪意』 紹介レビュー
犯人、刑事が交互に綴る「手記」形式で紐解かれていく推理小説。
犯人が語らない動機、それが恐ろしい『悪意』につながります。
先入観、思い込みがいかに恐ろしいかわかる作品
『悪意』作品紹介
加賀恭一郎シリーズ
東野圭吾「加賀恭一郎シリーズ第4弾」
シリーズの中ではかなり異彩を放っている作品。
あらすじ
人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。
読みどころ
本作品は、推理小説ではありますが犯人は序盤に分かるようになっています。
推理すべきなのは真犯人ではなく、犯行に及んだその動機です。
犯人は様々な証拠を残し、巧みに捜査の動向を操ります。
全ては本当の”動機”を隠すために。
刑事である加賀恭一郎がいかにこのトリックを見破り、
犯人の真実にたどり着いていくかが、本作品の面白さです。
思わぬところにミスリードが潜んでいるので、
それに注意して読み進めるのもいいですね ♪