ダンボ 雑記ブログ

脱サラのための第一歩  本, 音楽, 映画 ,好きなことをシェアしていきます

小説紹介『ブルックリンの少女』ギヨーム・ミュッソ|失踪した恋人の隠された過去。ラストのどんでん返しに驚かされる

「これが私がやったこと・・・」そういって見せられた一枚の写真。
恋人の秘密の鱗片に触れてしまったことで、恋人は突然の失踪してしまう。

一瞬でも恋人を疑ってしまった後悔から、主人公ラファエルは恋人の行方を追うことに。

『ブルックリンの少女』作品紹介

あらすじ

本書の主人公はフランスの人気作家ラファエル。
ある日、婚約者であるアンナと別荘で休暇を楽しんでいました。

それまで幸せな関係を築いてきた2人ですが、
ラファエルのある提案により、事態が一変します。
「お互いに秘密をもつのはよそう。」
結婚間近だったからなのか、前妻との別れからの不安だったのかわかりませんが、
ラファエルは、アンナが話したがらない彼女の過去について知りたがりました。

アンナは「真実を知ったら、あなたは私を愛さなくなるだろう」と打ち明けようとしませんでしたが、ラファエルが詰め寄ると観念し、ある写真を見せました。
「これが私のやったこと・・・」
そういって見せられた写真には、3人の焼死体が転がっている写真でした。
そこに犯罪が関わっているだろうことが明白な写真にラファエルは悪寒を感じます。

予想だにしていなかった秘密に、ラファエルはその場を逃げ出してしまいますが、
詳細も聞かずにアンナから離れてしまったことを後悔し別荘に戻ります。
しかし、別荘に既にアンナの姿はなく、恋人は失踪してしまうのでした

ラファエルは失踪した恋人を探すべく、
友人である退職した元刑事 マルクに助けを求め、2人で調査を進め始めます。
調査を進めていくことで明かされていくアンナの過去と、アンナの失踪の全容が徐々に明かされていく。

おわり

 ☆注意☆

ここからは多少ネタバレを含みますので注意してください。

 

アンナを探し出すために行われた調査はフランスからアメリカまで舞台が広がり、
いくつもの謎が壮絶な物語へと展開します。
それらの謎を、人気作家ラファエルと元刑事マルクによって別々の視点から調査がすることで真相に徐々に近づいていきます。
真実が一つ解き明かされるたびに、さらなる謎が増えていきます。
その複雑さは本書でも、まるでマトリョーシカのようだと例えられるほど。
そのため登場人物がかなり多いので情報量も莫大になりますが、ラストにはそれらが全て収束していくので、さすがベストセラー作家だなと感心してしまいました。

本書を読むときは、その情報量に混乱しないように一気に読み進める事をオススメしますが、時間がない場合などはノートなどに出てきた登場人物の名前と簡単な関係性などをメモしておくと、「この人どこで出てきたっけ?」と話に取り残されることがなくなります。
ちなみに私はよくこの方法を使います。海外の作家さんだと登場人物も外国人になるため、名前が覚えられないことがしばしば・・・。何度も前のページに戻って探さないといけないのは読む気がそがれてしまいますし、メモを取ることで案外覚えていることが出来ます。
最初の見開きのページに登場人物の一覧が描かれていますが、ネタバレにつながる点もあるので飛ばして読みましょう!

 

この物語はアンナが10年前に体験したとある事件が軸となっています。
その事件とは連続少女誘拐監禁事件。4人の少女が監禁され、アンナはその少女の内の1人でした。事件の発覚を恐れた誘拐犯が監禁場所に火を放ったことにより、誘拐犯を含め少女は全て死んだと思われていましたが、アンナはその事件で唯一生き残り、とある理由から正体を偽り、別人として暮らしていたのです。

そして調査の結果、アンナの失踪は誘拐によるものだと突き止めたラファエルとマルクは、現代の誘拐事件の手がかりを探すべく、アンナの過去を追っていきます。
10年もの歳月を過ぎたにもかかわらず、なぜ再び事件が動き出したのか。アンナの正体がなぜ現代の誘拐犯に知られることになったのか。そもそも誘拐する理由はなんなのか。それらに着目しながら読み進めていくことをオススメします。